身体にも症状は現れる|現代病ともいえる身近なうつ病の脅威|定期的にうつ診断を受けよう
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現代病ともいえる身近なうつ病の脅威|定期的にうつ診断を受けよう

身体にも症状は現れる

看護師

うつ診断の基準として、メンタルの変調を調べるだけではなく、身体的な変化を調べることもあります。肉体と精神は密接な関係にあり、肉体に負荷や不調が現れれば、精神的にもふさぎ込みがちとなります。また、精神的な緊張や負担が現れた場合、胃に痛みが現れることや、下痢など身体に症状が現れることがあるのです。うつ病は、精神的な負荷が長期間続くことで身体機能にも影響が現れる症状です。メンタル面の状態を調べるだけでなく、体に引き起こされる症状についても調べることで、より正確なうつ診断ができるでしょう。

身体機能に現れることとして挙げられる要素は5つあります。それぞれ、睡眠障害と食欲の変化、さらに胃腸への不調と身体の各所への痛み、性欲減退が挙げられます。睡眠障害では、夜間になかなか寝付くことができないといったことが頻繁に起きると、うつ病の傾向があるとしてうつ診断でもチェックされます。うつ病に罹患すると、交感神経が常に活発になります。通常睡眠に入る場合、副交感神経の働きが優位になることが必要となりますが、交感神経が優位に働いている状態となるとこの睡眠を誘導する副交感神経に切り替わらないので、眠れなくなるのです。逆に、半日以上眠ってしまうことや、いくら寝ても足りないといった症状もまたうつ病による睡眠障害だと判断できます。人が睡眠に入ると深い眠りと浅い眠りを繰り返すものですが、うつ病に罹ると交感神経の働きによって、深い睡眠ができなくなるため浅い眠りだけが続くようになります。眠りが浅いと体の疲労は取れないため、疲労を回復するため何時間でも眠ってしまうようになるのです。睡眠の他にも、うつ病に罹ると食欲にも変化が現れます。食欲減退により何も食べたくなくなることや、逆に食べすぎてしまうようになることもあります。食欲の減退は、うつ病によって交感神経が優位となり、胃腸の働きが弱まっているため引き起こされます。栄養を取らず、徐々に痩せてしまうようになり、身体機能の衰えによってさらに精神的にふさぎ込むようになってしまいます。食べすぎてしまうことは、脳が精神的な不安定さを補うために、無意識によりたくさんの食事を取らせるようにしているために引き起こされます。誰しも満足に食事を取れば、満腹感と共に精神的な満足感を得ることができます。これは脳にセロトニンと呼ばれる神経伝達物質が分泌されるために起こる感情ですが、うつ病の人の場合、セロトニンの分泌量が極端に下がってしまうため、甘いものを人一倍欲しがるようになるのです。いずれにしろ食欲に変調が現れると、栄養バランスを著しく損なってしまうため、必須となる栄養の不足や糖尿病などの影響により、二次障害が引き起こされることがあるのです。

精神的な負荷が与えられると、よくお腹を壊してしまう人や、胃がキリキリと痛みだす人がいるでしょう。それらの症状はストレスが原因です。緊張やネガティブな考えにより、精神が追い詰められると、胃腸にさまざまな影響が現れるようになります。うつ病も同じことがいえるため、胃腸の慢性的な不調はうつ診断の基準となるのです。下痢や便秘を繰り返してしまう人や、しっかりと食事を摂っていても体重が落ちてしまうという人は、うつ病に罹っている恐れがあります。専門のクリニックで検査を受ける際には、下痢や便秘などの症状があるか、しっかりと医師に伝えましょう。他にも、体に顕著に現れる症状といえば、痛みが挙げられます。うつ病に罹ると交感神経が活発になるため、体の各部位の筋肉にもさまざまな影響が現れます。交感神経が働いている状況は、体が緊張状態に陥っていることと同義です。緊張すると体の血流も活発となり、その影響によって筋肉が休みなく働くようになるので、体のさまざまな部位にコリや痛みが現れます。肩や首、腰へのひどいコリが発生するほか、肩や首筋のコリにより脳への血行が悪くなり、慢性的な頭痛に苛まれることもあるのです。

うつ診断の項目として最後に挙げられるのが、性欲の減退です。異性を見ても何も感じない、または性行為を行なうことができないといった症状が見られた場合、うつ病に罹っている恐れがあります。交感神経が優位に働いている状態は、性欲が抑えられることが知られています。若者に見られるEDの問題の多くが強いストレスが原因であり、その陰にはうつ病による影響もあるとされています。これらの身体的な症状は、自分でも自覚することができるものなので、自分がうつに罹っているかを調べる要素となります。体の不調は慣れてしまうことがあり、単なる疲れのせいだと考えて、うつ病を放置してしまう人は多いものです。うつなどの精神病は菌やウィルスによる病とは違い、放置して治ることはありません。うつ症状に対して無自覚に過ごしていると、症状の悪化によって衝動的に自殺を図ることや二次障害によっていきなり倒れてしまうといったことが起こります。うつの身体症状に当てはまる項目が多くあれば、念のため専門のクリニックでの診断も受ける必要があるでしょう。